採用ミスマッチによる早期離職に多い理由とは|原因や起こりやすい項目や対策方法について徹底解説
- 2024.08.31 採用・育成
更新日:2024.08.31
ほとんどの人事担当者は、候補者の性格を知ったうえで候補者を採用したいと考えますが、面接などの短い時間で、候補者の性格を分析し理解することは難しいです。
そうした問題解決の一助になるものが、ソーシャルスタイル診断です。ソーシャルスタイル診断を活用することで、「この人はこういう性格で、仕事とこういう向き合い方をするんだ」とざっくりと理解することができます。
本記事では、「ソーシャルスタイル理論」をどのように仕事に活用できるのかを解説します。
冒頭で述べたように、ソーシャルスタイル理論とは仕事上で活かすことができる性格診断です。ソーシャルスタイル理論は、1968年にアメリカの産業心理学者のデビッド・メリル氏が提唱したコミュニケーションの理論です。
ソーシャルスタイル診断では、「この人は分析してから動くタイプだ」「この人は感情を優先して仕事をするタイプだ」のような仕事でどのような働き方をするかを診断することができます。
ソーシャルスタイル理論は、大きく4つに分けることができます。
以下に質問を記載しました。自分がどのタイプなのかを診断してみましょう。そうすることで、ソーシャルスタイル診断の精度を知れると思います。
話すペースが | A:早い | B:遅い |
話すとき間を | A:とらない | B:とる |
話すときの語尾を | A:きっぱり | B:ソフト |
話すとき声が | A:大きい | B:小さい |
話すとき | A:自分から話す | B:後から発言する |
話すとき | A:結論から話す | B:順を追って話す |
話すとき | A:まず自分の意見を言う | B:まずまわりの意見を聞く |
話すとき | A:視線をしっかり合わせる | B:視線をソフトに合わせる |
話すとき | A:質問は即決 | B:質問へは熟考 |
(Aの個数: 個) | (Bの個数: 個) |
表情が | C:豊か | D:ポーカーフェイス |
声に | C:抑揚がある | D:抑揚がない |
身振り手振りを | C:交えて話す | D:あまり使わない |
雰囲気は | C:カジュアルである | D:ビジネスライクである |
使う言葉は | C:平易である | D:硬いものがある |
得意なのは | C:たとえ話やエピソード | D:情報・データ・数字 |
はじめは | C:まず人間関係を築く | D:すぐに仕事に取り掛かる |
気持ちが | C:顔に出る | D:顔には出ない |
仕事の仕方は | C:周りと一緒に進めていく | D:1人で黙々と進める |
(Cの個数: 個) | (Dの個数: 個) |
上記の質問全てに応えられたら、A、B、C、Dがそれぞれいくつあったか、数えて計算式に当ては めてください。Aの個数ーBの個数=( )①Cの個数ーDの個数=( )② ①、②を計算したらマップに点描しましょう。 |
出典:株式会社WOWOWコミュニケーションズ
『ソーシャルスタイル理論とは?相手の心をつかむコミュニケーション』
仕事上に、ソーシャルスタイル診断を取り入れるメリットについて以下に解説します。
新しく組成したチームの場合、相手のことをよく知らないために、スムーズなコミュニケ―ションが取れずに、誤解や摩擦が多くなってしまう可能性が高まります。その結果、仕事へのストレスが蓄積されるようになってしまいます。
そこで、ソーシャルスタイル診断を行うことで、チームメンバー各自のコミュニケーションスタイルや行動パターンを理解することができます。
相互理解ができることで、誤解や摩擦が減り、スムーズなコミュニケーションが促進されます。また、メンバーがお互いのスタイルを尊重し合うことで、信頼関係が深まり、チームとしての一体感が強まります。
例えば、スタイルの違いを認識することで、フィードバックをより建設的に受け入れることができます。今まで、どうしてそんなに無愛想で教えてくるんだろうと考えていても、ドライビングであると考えることができれば、それは相手の性質であり、変わらないものだと割り切ることができます。
社員のソーシャルスタイルを理解することで、適材適所の配置が可能になります。
例えば、リーダーシップを発揮しやすいドライビングタイプにはプロジェクトリーダーに任せ、細部に注意を払うアナリティカルタイプにはデータ分析や計画作成を担当させるなど、適材適所の配置ができます。
また、社員が自分の強みを最大限に活かせるポジションに就くことで業務効率の向上が期待できます。適切な配置をすることで、モチベーションの維持にもつながり、ストレスや不満を感じにくくなります。
以下に、タイプごとに適した役割と相性の良いメンバーを示します。
タイプ | 適した役割 | 相性の良いメンバー |
ドライビング | ・プロジェクトリーダー ・営業マネージャー ・部門リーダー | エクスプレッシブタイプ: クリ エイティブなアイデアを出し、 プロジェクトに新しい視点を提 供します。 アナリティカルタイプ: データ 分析や計画作成を担当し、プロ ジェクトの基盤を強固にしま す。 |
エクスプレッシブ | ・マーケティング担当 ・クリエイティブディレクター ・イベントプランナー | ドライビングタイプ: アイデア を実行に移し、目標達成に向け た具体的な計画を立てます。 アミアブルタイプ: チーム内の 調和を保ち、円滑なコミュニケ ーションを促進します。 |
エミアブル | ・カスタマーサポート ・人事 ・チームビルディング | エクスプレッシブタイプ: エミ アブルタイプが顧客との良好な 関係を築く中で、クリエイティ ブな解決策が問題解決に役立ち ます。 アナリティカルタイプ: 問題解 決のためのデータや分析を提供 し、サポートします。 |
アナリティカル | ・データアナリスト ・計画作成者 ・財務担当 | ドライビングタイプ: データに 基づいた情報を元に、迅速な意 思決定を行い、プロジェクトを 前進させます。 アミアブルタイプ: チームの調 和を保ち、分析結果をチーム全 体にわかりやすく伝えます。 |
ソーシャルスタイル診断を活用することで、社内の人材の多様化を促進することができます。異なる背景や価値観を持つ社員が互いの違いを理解し、尊重し合うことで、多様性が豊かで包括的な職場環境を築くことができます。
例えば、社員が異なる視点やアイデアを持ち寄ることで、イノベーションが促進されます。また、多様なソーシャルスタイルを持つ社員が協力し合うことで、問題解決能力が向上します。
このように、社員を多様化することで、それぞれの強みを活かして、協力することができ、会社の成長に繋げることができます。
ソーシャルスタイル診断を受けるだけならメリットしかないように感じますが、デメリットも存在します。以下では、そのデメリットについて解説します。
ソーシャルスタイル診断の結果に基づいて、特定のスタイルに属する人に対して固定概念を持ってしまうリスクが考えられます。
例えば、ドライビングタイプの人だからと言って、常に決断力があり、指導力が強いと決めつけてしまうと、その人が持つ他の側面に気付くことが出来ずに、無視してしまう可能性があります。
また、タイプの決めつけは、成長の妨げにもつながります。特定のスタイルに分類されることにより、自分をそのスタイルに限定してしまい、この分野が苦手であると、やる前からあきらめるようになってしまう可能性があります。
ソーシャルスタイル診断はあくまで1つの参考ですので、それだけで人を評価しないように心がけましょう。
ソーシャルスタイル診断を使う上で、注意しておきたいこととして、「人間は4つのタイプに分類することはできない」ということです。
ソーシャルスタイル診断では、多くても4つのタイプにしか分類することしかできません。アナリティクスにかなり近いドライビングタイプや、エクスプレッシブにかなり近いエミアブルタイプもたくさん存在します。
このように、人間の行動や性格は複雑で、多様な要素が影響するため、人々は、スタイルの混合体です。よって、多くの人々を4つのタイプに分類することは難しいです。そのため、ソーシャルスタイル診断はあくまで目安と考えることが重要です。
ソーシャルスタイル診断の特徴を理解したところで、どのような場面でソーシャルスタイル診断を活用できるかを解説します。ソーシャルスタイル診断を活用することでより良い仕事ができるようになります。
業務を行う上で、社員に多様性があった方が良いです。
アイデアを出すことが得意なエクスプレッシブタイプ、分析が得意なアナリティクスタイプ、実行力を発揮するドライビングタイプ、協調性を大事にするエミアブルタイプ、これらの全てのタイプがいることで業務が円滑に進みます。
ソーシャルスタイルはあくまでも参考の1つとして考えましょう。
個々の性格や行動スタイルを理解するための有効なツールですが、それを信じすぎないことが重要です。人間の多面性や変化する特性を考慮し、多様な評価方法を併用することで、より公平で柔軟な対応が可能となります。こうしたアプローチにより、社員一人ひとりの成長を促進し、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。
ソーシャルスタイル診断を活用した事例を紹介します。
ソーシャルスタイルでは主に、採用段階、内定後の研修などで活用されます。それぞれの活用法について解説していきます。
採用工程でソーシャルスタイル診断を活用することにより、応募者の性格や行動スタイルを把握し、適材適所の配置を行うことができます。具体的な活用方法は以下の通りです。
内定後の研修でソーシャルスタイル診断を活用することにより、新入社員が自分自身や同僚のスタイルを理解し、効果的なコミュニケーションと協力を促進することができます。
弊社CrowdMooveでも、ソーシャルスタイル診断を活用してみました。
インターン生と社員の中で調査した結果が以下です。
ドライバー | 3人 | 30% |
エクスプレッシブ | 3人 | 30% |
エミアブル | 2人 | 20% |
アナリティクス | 2人 | 20% |
10人 | 100% |
隔週で行うインターン生を含めたMTGでは、それぞれが様々な分野のトピックを持ちよってくることによって、お互い良い刺激をもらっています。また、チーム編成をする際にも、ソーシャルスタイルごとに分けていて、多様な視点からの意見が飛び交い、新しい発見や学びを得ることができています。
例えば、弊社では、ドライバータイプのインターン生が、自分の働き方や考え方を共有する場を設けています。ドライバータイプの合理的な考えや成長につながる働き方を共有することで、他タイプのインターン生は新しい学びを得ることができています。
「人手不足で、採用業務にかける時間がない」、「採用のノウハウがなくて進まない」といった悩みを抱えた企業様はCrowdMooveアシスタントがおすすめです。
Crowd Mooveでは、「Crowd Mooveアシスタント」というアウトソーシングサービスを提供しており、バックオフィスを初めとした様々な業務をアウトソーシングできます。
もちろん、採用業務もアウトソーシング可能です。採用業務では、求人媒体の選考から、書類選考、面接までの全てをアウトソーシングできます。もちろん、メール返信業務のみのアウトソーシングも可能ですので、必要な業務を必要な分だけアウトソーシングできるため、コストの軽減も可能になります。
また、どんな業務でも一律1時間2,200円でアウトソーシングすることができ、専属PMが一気通貫して担当します。
もし採用業務でお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。
料金 | 一律1時間2,200円 |
対応可能業務 | ・バックオフィス ・人事 ・採用 ・カスタマーサポート ・マーケティング ・営業 |
ソーシャルスタイル診断は、相手の性格を知るために有効なツールです。また、それは、自分の性格を見つめ直す機会となります。自分の性格を理解することで、「自分はなにが苦手なのか」「他の人からどんな印象を受けるのか」を理解することができます。
ソーシャルスタイル診断は自分を振り返ったり、採用、研修、業務上のコミュニケーションなど様々な場面で活用することができます。
しかし、人間を4つに分類することは不可能です。ソーシャルスタイル診断はあくまで1つの参考として、活用しましょう。