採用ミスマッチによる早期離職に多い理由とは｜原因や起こりやすい項目や対策方法について徹底解説
- 2024.08.31 採用・育成
更新日：2024.08.31
ライター
Crowd Moove編集部
「面接時のNGワードが知りたい」
「面接でNG質問をしてしまった際のリスクを知りたい」
面接では、面接官が触れてはいけないタブーな質問があります。応募者とのトラブルを避けるために、上記のような悩みを持った企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、累計数百社の採用業務を支援してきた弊社CrowdMooveの視点から、採用面接におけるNG質問の内容やNG質問を控えるべき理由について詳しく解説します。また、最後には実際の事例や、NG質問とOK質問の例をまとめているので、面接時の参考にしてください。
また、「採用面接でのNGな質問とは｜NG質問を避けるための対策方法まで徹底解説」では、NG質問か判断が難しいケースや、NG質問をしないための対策方法についても解説しているため、ご覧ください。
目次
採用選考において留意すべきこと
採用選考を行う上で、いくつかの内容に留意しておく必要があります。ここでは、主に以下の2つの内容について解説します。
- 公正な採用選考である
- 候補者の適性や能力を採用基準にする
1.公正な採用選考である
採用選考において公正な採用選考であることを忘れてはいけません。企業は自社が定めた雇用条件や採用の基準に合う人であるかどうかを確認し、自社の希望とマッチする人材を次のステップへ進める必要があります。
そのため、思い込みや偏見などを除き、公平な判断をしなくてはいけません。また、本人に責任のない事柄や、選考基準に関係のない要素をもとに判断するのもNGです。特に、面接時の質問内容は、応募者の企業に対する印象を左右する可能性が高いため、発言内容について慎重に考えることが大切です。
2.候補者の適性や能力を採用基準にする
候補者の適性や能力を採用基準にすることは、採用面接において重要です。日本国憲法では、すべての人に職業選択の自由を保証しています。一方、企業側にも「採用の自由」が認められています。しかし、「採用の自由」が認められているからと言って、候補者の基本的人権を侵害する内容の質問をするのが認められている訳ではありません。
そのため、思想や出身地、家族構成など、能力や適性に関係のない内容や、本人に責任のない事柄についてを採用基準にするのを控えましょう。
NGワードを控えるべき理由
面接でのNGワードに関する質問を控えるべき理由はいくつかありますが、ここでは、以下の2つの理由について解説します。
- SNSなどの情報拡散による企業のイメージ低下
- 法律違反による罰則が課せられる可能性
1.SNSなどの情報拡散による企業のイメージ低下
面接でNGワードについて触れてしまった場合、SNSなどの情報拡散によって企業全体のイメージが低下する可能性があります。面接は、応募者の経歴や人柄について知る機会というだけではありません。面接官の態度や質問内容から、応募者は自身と合っている企業かどうかを確かめています。
そのため、不適切な質問や不誠実な対応をしてしまった場合、応募者から企業に対する印象が下がる可能性があります。また、最近では匿名の書き込みによるSNSでの炎上から企業のイメージダウンにつながるケースも少なくありません。そのため、面接ではNGワードを控えることが重要だと言えます。
2.法律違反による罰則が課せられる可能性
応募者の個人情報の取扱いにあたり、職業安定法により罰則が課せられる可能性があります。職業安定法では、面接やエントリーシートで収集してはいけない応募者の個人情報がいくつかあります。
- 労働組合への加入状況
- 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地
- 思想や信条
上記の内容に違反した場合は、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。そのため、面接で質問してはいけない内容について詳しく知っておく必要があります。
面接で聞いてはいけない内容
面接時に聞いてはいけない内容は主に以下の5つについてです。
- 本籍地、出生地に関する内容
- 家族、地位・収入に関する内容
- 資産に関する内容
- 思想・信条、宗教、尊敬する人物、支持政党に関する内容
- ハラスメントととらえられる可能性がある内容
1.本籍地、出生地に関する内容
本籍地や出生位置に関する質問は、本人の努力では解決できないことであるとともに、本人への責任はありません。また、それらの質問を行うことで、選考時に偏見をもってしまう可能性があるため、控えましょう。
さらに、質問を行う以外にも「戸籍謄本」や本籍が記載された「住民票（写し）」を提出させることもNGです。出身地や本籍地をもとに採用選考を行う行為は、基本的人権の侵害になる可能性が高いです。
2.家族、地位・収入に関する内容
採用面接において、家族、地位・収入に関する内容の質問を行うこともNGです。また、住宅状況に関する質問も同様に控えましょう。具体的には、以下のような質問を指します。
【家族に関する質問】
- ご両親はどんな仕事をしていますか
- 家族の中で誰が一番収入が高いですか
- 結婚しているかどうか、または子供はいますか
【地位・収入に関する質問】
- あなたの現在の年収はどのくらいですか
- あなたの家族の年収はどのくらいですか
- あなたの過去の収入から推測される生活水準について教えてください
【住宅状況に関する質問】
- あなたの住んでいる地域の住宅ローンの支払い状況について教えてください
- 現在の住まいが職場に近いかどうか教えてください
- 引っ越しする可能性がある場合、どのくらいの経済的負担が可能ですか
家族、地位・収入は、本人に責任がなく、自由を尊重するべき内容であるため、これらに対する質問は控えましょう。
3.資産に関する内容
本人の所有している資産や、親の所有している資産に関する質問はNGです。たとえば、以下のような内容は控えましょう。
- ご実家はマンションですか、一戸建てですか
- ご自宅の広さはどのくらいですか
- ご家庭の生活スタイルについてお聞きしてもよろしいですか
資産に関するストレートな質問だけでなく、間接的に聞くような質問もしてはいけません。面接の目的は、本人の適性や能力を公平に判断することであるため、選考に関係のない内容は触れないようにしましょう。
4.思想・信条、宗教、尊敬する人物、支持政党に関する内容
思想や信条、宗教、尊敬する人物、支持政党など本人の自由であるべき内容の質問はNGです。応募者の自由であるべきことを採用基準にすることは、「思想の自由（第9条）」「信条の自由（第20条）」などに違反します。具体的には、以下のような内容の質問を控えましょう。
- 学生運動をどう思いますか
- 将来、どんな人になりたいと思いますか
- あなたの家庭は、何党を支持していますか
- 学校外での加入団体を言ってください
また、「愛読書」や「尊敬する人物」などの質問も、選考に関係のない質問であるためNGとされています。特に、アイスブレイクの際や、話題が広がった際にうっかり触れてしまう話題でもあるため、注意しましょう。
5.ハラスメントととらえられる可能性がある内容
言うまでもありませんが、面接において、ハラスメントととらえられる内容の質問はNGです。具体的には、以下のような内容が挙げられます。
- 結婚の予定はありますか
- お子さんはいますか、もしはいくつですか
- 子供を持つ予定はありますか
結婚や出産に関する質問は、応募者のプライバシーを侵害する可能性があるとともに、セクシュアルハラスメントと思われる可能性があります。さらに、スリーサイズなどの容姿に関する情報も差別的な評価につながるため、情報収集が禁止されています。
就職差別と判断される可能性のある質問事例
ここでは、ハローワークが実際に指導した事例をいくつか紹介します。気づかずにNG質問を行っている場合もあるため、よく確認しましょう。
【事例１】
採用面接を行ったA社では、以下のような出来事がありました。
| 面接の前にアンケート用紙を渡された。アンケート用紙には、「携帯電話番号」、「父母の有無」、「兄弟の人数・学年」などを記入する項目があった。 |
前章でも解説したように、家族に関する質問やプライベートを詮索するような質問はNGです。A社での出来事のように、面接で質問をしていなくても、アンケート用紙などに書かせる行為も控えましょう。
【事例２】
以下は、B社での採用面接時の様子です。
| 採用面接時に、次のような質問を受けた。 会社：自宅は、○○区のどのあたりですか。家の近くには何がありますか。生徒：○○公民館の近くです。会社：通勤が不便だけど大丈夫ですか |
一見、なんの問題もない文章に思えます。この場合、企業は通勤方法について尋ねようとしていますが、結果として住宅環境について尋ねることになっていることがわかります。このように、意図していないことでも結果としてNG質問をしてしまっている場合があるため、注意が必要です。
【事例３】
以下はC社で行われた採用面接時の内容です。
| 採用面接時に、「ご両親はおられますか」「自営業ですか」「兄弟はいますか」「どのあたりに住んでいますか」「家は持ち家ですか」「いつから住んでいますか」などの質問を受けた。また、求人票の選考方法には「一般常識と面接」とありながら作文が実施され、作文題名も「私の家族」というものであった。 |
前章でも言及したように、家族に対する質問や家族との関係を探るような行為を行うことは、応募者の権利を侵害することになります。そのため、選考基準以外の質問や試験の実施は控えましょう。
面接時のNG質問・ワード集
以下は面接時のNG質問やNGワードを集めたものです。
【本籍地・出生地に関する内容】
- あなたの本籍地はどこですか。
- あなたのお父さんやお母さんの出身地はどこですか。
- 生まれてから、ずっと現住所に住んでいるのですか。
- ここに来るまでどこにいましたか。
【家族に関する質問】
- ご両親はどんな仕事をしていますか
- 家族の中で誰が一番収入が高いですか
- 結婚しているかどうか、または子供はいますか
【地位・収入に関する質問】
- あなたの現在の年収はどのくらいですか
- あなたの家族の年収はどのくらいですか
- あなたの過去の収入から推測される生活水準について教えてください
【住宅状況に関する質問】
- あなたの住んでいる地域の住宅ローンの支払い状況について教えてください
- 現在の住まいが職場に近いかどうか教えてください
- 引っ越しする可能性がある場合、どのくらいの経済的負担が可能ですか
- ○○町の△△はどのへんですか
- あなたの住んでいる地域は、どんな環境ですか
- あなたの自宅付近の略図を書いてください
【資産に関する質問】
- ご実家はマンションですか、一戸建てですか
- ご自宅の広さはどのくらいですか
- ご家庭の生活スタイルについてお聞きしてもよろしいですか
- あなたの住んでいる家や土地は持ち家ですか、借家ですか。
- あなたの家の不動産（田畑、山林、土地）はどれくらいありますか
【思想・信条、宗教、尊敬する人物、支持政党に関する質問】
- 学生運動をどう思いますか
- 将来、どんな人になりたいと思いますか
- あなたの家庭は、何党を支持していますか
- 学校外での加入団体を言ってください
- あなたの信条としている言葉は何ですか
- 家の宗教は何ですか。何宗ですか
- 労働組合をどう思いますか。
- 政治や政党に関心がありますか
- あなたは、今の社会をどう思いますか
- 将来、どんな人になりたいと思いますか
- あなたは、どんな本を愛読していますか
- あなたの家では、何新聞を読んでいますか
【ハラスメントととらえられる可能性がある内容】
- 結婚の予定はありますか
- お子さんはいますか、もしはいくつですか
- 子供を持つ予定はありますか
- スリーサイズはどれくらいですか
面接時のOK質問例
以下は面接時に話しても大丈夫な質問例です。質問を考える際の参考にしてください。
【アイスブレイク編】
- ◯◯大学に通われていたんですね。昔、近くに住んでいたことがあります
- 特技が◯◯ってすごいですね。何がきっかけで習得されたのですか
- 最近暑くなってきましたね。○○県はここよりも毎年暑いですか
- 本日はわざわざありがとうございます。ご自宅からこちらまでどれくらいかかりましたか
- オリンピックは見ていますか？◯◯の試合はすごかったですね
- 最近のニュースで気になるトピックはありますか
- ◯◯の趣味があるんですね。どのような活動が一番楽しいですか
【面接での質問編】
- 自己PRを教えてください
- 長所を教えてください
- 短所を教えてください
- 周りの人からどんな人と言われますか
- 特技を教えてください
- リーダーシップを取った経験はありますか
- 仕事のやりがいはなんだと思いますか
- 辛かった・苦しかったことは何ですか
- 当社の強みや事業戦略についてどのように考えていますか
- チームで働く際に大切にしていることは何ですか
- 困難なプロジェクトや課題に直面したとき、どのように対処しましたか
- 自分自身を改善するために取り組んでいることはあります
- 過去に受けたフィードバックで、自分にとって最も価値があったものは何ですか
【採用業務は従量課金制の株式会社Crowd Mooveがおすすめ】
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まとめ
ここまで、採用面接時に留意しておくべき内容やNG質問の内容、NG質問を控えるべき理由などを、事例や例文を用いて解説しました。NG質問をすることは、企業側にも応募者側にもデメリットしかなく、本来の目的である自社に合った優秀な人材の採用が難しくなってしまう可能性もあります。そのため、本記事の内容を踏まえ、適切な面接を心がけましょう。
