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投稿日:2024.10.16(水)
更新日:2024.10.28(月)
「リクルーター制度について詳しく知りたい」
「リクルーターに適した人材の特徴が知りたい」
「売り手市場」の状況下で、採用業務は難化傾向にあります。そのため、リクルーター制度を導入し、優秀な人材を多く採用したいと感じ、上記のような悩みを持っている企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、累計数百社の採用業務を支援してきた弊社CrowdMooveの視点から、リクルーター制度の役割やメリットから、導入手順、リクルーターとして活躍できる人材の特徴などについて細かく解説します。
目次
リクルーターとは、採用担当者を指し、新卒採用においては「入社に向けて学生の相談に乗ったり、サポートしたりといった役割を担う人」を指すことが多いです。リクルーターをつける時期やリクルーターを担当とする社員の属性は、企業によりさまざまです。
中でも、人事部の所属ではないものの、採用活動に参加する人を「兼務リクルーター」と呼び、専門として採用活動に従事する人を「プロ・リクルーター」と呼ぶ場合があります。
リクルーター制度とは、企業が新たな人材採用を行うために、学生や求職者に向けて採用活動を行う取り組みを指します。また、自社の希望の人材の採用を目的とし、対象となる候補者に向けて自社の魅力をアピールしたり、就職活動のサポートを行います。
近年、「売り手市場」にあり、採用業務が難化傾向にあるからこそ、リクルーターの活用が注目されだしています。特に、内定辞退率の増加は多くの企業が抱える問題でもあります。
内定辞退率とは、内定を承諾した人のうち、自己都合によって辞退した人の割合を指します。最近では、就職市場が「売り手市場」となっており、就職率が高まっている一方で、内定辞退率も増加傾向にあります。
出典:株式会社キャリタス「内定辞退業界と就職決定業界の比較」
株式会社キャリタスが行った「内定辞退業界と就職決定業界の比較」によると、内定辞退者は、2010年から2017年にかけて内定辞退率が増加傾向にあることがわかります。内定辞退は、採用にコストや労力をかけている企業にとって避けたい事態です。
そこで、注目されだしたのがリクルーター制度です。リクルーター制度における役割やメリットは後ほど詳しく解説しますが、主に優秀な人材や自社の希望する人材に効率よくアプローチできることがあげられます。
出典:株式会社キャリタス 就活生に聞いた「リクルーターとの接触経験」
株式会社キャリタスが行った調査によると、候補者がリクルーターと接触して「良かったこと」として、企業への理解が深まったことや志望動機を深めることができたことなどが挙げられています。このように、企業は希望する人材に、リクルーターを利用して直接アプローチすることにより、企業への理解を促し、選考段階におけるミスマッチを防ぐことができます。
リクルーターの役割はいくつかあります。ここでは、以下の3つについて詳しく解説します。
リクルーターの役割の1つには、母集団の形成があります。募集をかけ、学生からの応募を待つ採用方法の場合、自社の希望する優秀な学生を確保するのが難しかったり、採用業務に時間を要してしまう可能性があります。
しかし、リクルーターが学生に働きかけ、今まで自社に目を向けていなかった学生にもアプローチすることで、多くの優秀な人材に興味関心を抱いてもらうことが可能になります。また、選考に応募するよりも、リクルーターとの面談は候補者にとってハードルが低く、候補者は、気軽に参加することができます。さらに、企業によってはリクルーターの数を増やし、幅広い学生にアプローチすることも目的としています。
リクルーターには、選考工程の短縮化をさせる役割もあります。リクルーター面談では、候補者と直接コミュニケーションをとることができ、候補者の人柄や向上心、希望する企業像について知ることができます。
そのため、選考時よりも前に自社とマッチするかを判断することができ、選考工程の短縮化につなげることができます。また、リクルーター面談を通じて、本選考を受けてもらう人物を見極めたり、選考の案内を送ることができれば、人事担当者の負担を軽減することができます。さらに、人事担当者やリクルーター同士での情報共有により、採用活動をより円滑に進めていくことができます。
入社後のミスマッチの防止もリクルーターの役割の1つだと言えます。リクルーターには、自社の魅力を候補者にアピールしてもらうとともに、候補者の企業理解を促すことも目的としています。
「選考工程の短縮化」でも言及したように、実際に対面でコミュニケーションを行うことで、企業とのマッチ度を図ることができます。また、学生側は選考時よりも気軽に質問などを行えるため、企業に対する理解を深めることができます。
リクルーター制度の企業側のメリットはいくつかありますが、ここでは以下の3つについて詳しく解説します。
リクルーターは企業が求める人材や企業とマッチする人材を見つけ出し、アプローチする役割があります。候補者側からのアプローチを待つ必要がなく、希望する人材に直接アプローチできるため、高効率な採用活動を行いやすいです。
また、内定辞退は、採用活動にコストや労力をかけている企業側にとって最も避けたい状況です。しかし、リクルーターは入社までのサポートも行っているため、内定辞退を抑えることができ、採用活動を円滑に進めることができます。このように、リクルーター制度は、精度の高い採用活動が行いやすいという点がメリットだと言えます。
リクルーター制度には、自社のアピールを行いやすいというメリットもあります。リクルーターは候補者と面談を行い、自社の魅力をアピールしたり、自社への理解を深めてもらうことができます。
たとえば、カフェなどのリラックスできる場所で面談を行った場合、会社説明会や採用面接の場では聞きづらい質問も、候補者は気軽に聞くことができ、企業に対する理解を深めることができます。また、対面でのコミュニケーションは、自社の魅力をアピールしやすいだけでなく、候補者の適性や向上心、求めている企業像などを確認できるため、企業側にとってもメリットが大きいです。
リクルーター制度において、希望する人材にピンポイントでアプローチできるということもメリットの1つだと言えます。求人情報を掲載して、候補者からのアクションを待つよりも、効率よく候補者へのアプローチを行うことができます。
また、候補者からのアプローチを待つ場合には、希望する人材が必ずしも応募した来るとは限らないというデメリットがありますが、リクルーター制度は企業側からアプローチを行うため、希望する人材と接点を持つことができます。
リクルーター制度の学生側のメリットはいくつかありますが、ここでは以下の2つについて詳しく解説します。
企業について詳しく知れることは、リクルーター制度におけるメリットの1つであると言えます。候補者の中には、緊張や面接官からの評価を気にして、面接時に十分な質問ができない人もいます。しかし、採用後に内定先との面談を行うことで、選考時に聞けない質問をすることができ、疑問点を解消することができます。
特に、給与や休日などの待遇面は、働く上で重要な情報ですが、面接時に聞きづらいと感じる学生が多いです。そのため、内定をもらっている状態で気軽に聞くことができる内定後面談は、学生側にとって大きなメリットがあると言えます。
リクルーター制度における学生側のメリットとして、不安を解消しやすいことが挙げられます。候補者は、「本当に自分とマッチしている企業なのか」を考えながら、企業や業界について考えています。しかし、選考段階の場合、候補者側は企業に対して知りたい情報について聞けないことも少なくありません。
出典:あさがくナビ「2024年卒学生の就職意識調査(面接で本音を話したいか)2023年4月版」
あさがくナビの調査結果によると、面接の際に本音で話せている人は約6割程度で、約4割の応募者が本音で話せていないことがわかります。その理由としては、その場の雰囲気や入社意欲があるからこその緊張感などから、本音が話せていないことが考えられます。
しかし、リクルーター制度を利用することにより、学生側はリクルーターを介して、企業についての疑問点や懸念点について質問することができ、不安を解消することができます。また、不安を解消することができれば、入社に対する意欲も向上することが考えられます。
リクルーター制度を導入する手順は以下の通りです。順番に確認しながら、リクルーター制度を導入しましょう。
リクルーター制度を効果的に実施するためには、まず制度の目的と希望する人物像を明確にすることが不可欠です。たとえば「特定スキルを持つ人材の確保」や「企業文化に合うチームメンバーの選定」といった具体的な目標を設定します。
次に、希望する人物像を詳細に定義します。具体的には、以下の内容について希望の人材を明確化させるのがおすすめです。
これに基づいてリクルーターがターゲットとする候補者の情報を逆算して求める情報を整理します。これにより、リクルーター制度の設計が効果的になり、採用活動の精度が高まります。
リクルーターの選定には、まず社員の所属部署との業務調整が必要です。リクルーターは通常業務と採用活動を両立するため、部門長との協議を通じて業務負担を調整します。その後、リクルーター候補者の適性を評価するために、上司や同僚からのフィードバックを収集し、以下の内容などを基に判断します。
具体的には、候補者が業務内容を深く理解し、高いコミュニケーション能力を持ち、企業への熱意と採用活動への情熱を示すことが求められます。選定基準を設定し、必要に応じてトライアル期間を設けることで、リクルーターの適性を確認し、効果的な採用活動を行うことができます。
リクルーターの育成には、体系的な研修と評価体制の構築が不可欠です。選ばれた社員が採用活動に関する経験が不足していることが多いため、以下の内容を含む包括的な研修を実施しましょう。
さらに、採用活動の品質を均一に保つためには、明確な評価基準を設定し、リクルーターのパフォーマンスを客観的に評価できる評価者を選定し、定期的なフィードバックを行うことが重要です。リクルーターが直面する問題に対するサポートや継続的な教育プログラムを提供することで、採用活動の質を高め、効果的な人材確保を行うことができます。
リクルーターの選定と育成が完了したら、実際の採用活動を開始し、全社的なサポート体制を整えることが重要です。候補者とのコミュニケーションをリクルーターだけに任せるのではなく、会社全体で支援し、必要な情報やリソースの提供を行いましょう。
人事担当者はリクルーターと定期的にミーティングを行い、進捗状況を把握し、採用戦略の見直しを行います。リクルーターが疑問や不安を抱えた際には、具体的な情報を提供し、相談窓口を設置してサポートを行います。採用活動終了後には、リクルーターのパフォーマンスを評価し、成果を分析してフィードバックを行い、次回の活動に向けた改善点を明確にしましょう。
リクルーターとして活躍できる社員には、いくつかの特徴があります。ここでは、以下の4つの特徴について詳しく解説します。
リクルーターとして活躍できる社員の特徴に成長意欲が高いことが挙げられます。成長意欲が高い社員は、具体的なキャリアビジョンを持っていたり、業務に対して誠実に向き合っていることが多いです。
そのため、抽象的な話や、作られた話ではなく、リクルーターが日々の業務で感じたことや具体的なエピソードを用いて、自社の魅力をアピールすることができます。さらに、多くの候補者は入社後に活躍したいと思っている場合が多いため、成長意欲があり、やる気のある社員は「自分もこうなりたい」と思ってもらえる可能性が高いため、リクルーターとしておすすめです。
信頼関係の構築が得意な社員は、リクルーターとして活躍できる社員だと言えます。信頼関係の構築が得意な社員は、候補者の興味を引く話をできる可能性が高く、より効果的に企業の魅力をアピールすることができます。
出典:株式会社キャリタス「内定辞退業界と就職決定業界の比較」
また、株式会社キャリタスが行った調査によると、リクルーターの印象によって候補者の企業に対する志望度へ影響が出ていることがわかります。信頼関係の構築が得意な社員は、候補者に好印象に思ってもらえることが多いため、リクルーターとして最適だと言えます。
自社について深く理解していることは、リクルーターとして活躍できる社員の特徴の1つです。前章でも言及したように、候補者は面接時よりもリクルーター面談の方が質問を行いやすいと感じる人が多いため、リクルーターには多くの質問が来ることが想定できます。
その際、より具体的で実体験を含めた説明を行うことで、候補者は自身の働いている姿をイメージすることができ、入社後のミスマッチなどを防ぐことができます。また、候補者の疑問点や不安点を解消することで、企業に対する志望度を上げることができます。
以下は、リクルーター制度導入のチェックリストです。リクルーター制度を導入する際の参考にしてください。
ここまで、リクルーターの概要や役割、メリット・デメリット、リクルーターとして活躍できる社員の特徴まで細かく解説してきました。「売り手市場」である昨今では、求人による人材の確保が難しく、採用活動において求人情報や求人方法について分析する取り組みが不可欠です。本記事で触れた内容を踏まえて、円滑な採用活動を行いましょう。
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