【具体例あり】面接時のアイスブレイクの目的とは|NG例をと共に紹介

        【具体例あり】面接時のアイスブレイクの目的とは|NG例をと共に紹介

アイスブレイクとは、相手の緊張感ある雰囲気を、「氷山(アイス)」に例えて、その雰囲気を「壊す・和らげる(ブレイク)」といった意味をさします。

本記事では、アイスブレイクについてNG例も交えながら、詳しく解説していきます。

アイスブレイクの効果と目的とは

アイスブレイクを行う目的として、緊張感のある場の雰囲気を和やかにし、候補者に普段通りの能力を発揮してもらい、積極的なコミュニケーションを促すことを目的としています。

就職活動の面接では、人生のかかった重要な瞬間であり、将来が決まると言っても過言ではないため、応募者が実力を全て出しきれない場合が多いです。候補者の素の力を図るためにも、アイスブレイクは必要な工程となります。

アイスブレイクが必要な理由

上記で示した通り、アイスブレイクとは、5分から10分の短い時間で、場の空気を和ませて参加者の緊張をほぐすことです。

候補者にとって、人生を左右する面接であり、緊張から本来の力を出しきれないケースはよくあります。また、候補者の素を見れないことは、貴重なスキルを持った人材を見落とすことにつながります。そこで、候補者の緊張をほぐすために活躍するのがアイスブレイクです。

他にも、アイスブレイクを行うことで、相手がどのような人物か知ることができます。リモートワークが普及している世の中で、直接会ったことのない候補者との面接も増えてきています。アイスブレイクによって、互いの人柄を知る機会となり、コミュニケーションがスムーズになります。

アイスブレイクを実施する際の抑えるべきポイント

アイスブレイクを実施する際に、とりあえず質問をして、候補者がその雰囲気に慣れれば良いのだろうと考えていると、かえって、応募者をさらに緊張させてしまう可能性があります。そこで、アイスブレイク時に、注意するべきポイントを以下に紹介します。

  • 来社のお礼を伝える
  • アイスブレイクの質問は合否に繋がらないことを伝える
  • クローズド・オープンクエスチョンを活用する
  • 面接官も自己開示を心がける

来社のお礼を伝える

まず最初に必ず、「本日はお忙しい中、当社にお越しいただき、ありがとうございます。お会いできて大変嬉しく思います。」など来社のお礼、選考に参加してもらったことへ感謝をしましょう。やさしい雰囲気で対応することが重要です。

面接の雰囲気を良くするには、面接官の第一印象が重要です。面接を始める前に名乗らない、表情が暗い、圧迫気味に質問するなど、こういった印象の悪い対応は、候補者のパフォーマンス低下につながります。

また、候補者の企業イメージの低下にもつながります。候補者の合否を選考する立場ではあるが、逆に、応募者から選ばれる立場であることを忘れないようにしましょう。志望順位が下がってしまっては、せっかく採用コストをかけて採用しても、他企業に就職してしまう可能性が高まります。

基本的に、自分の100%の力を出すことができた面接官や企業には好印象を持つことが多いでしょう。逆に、自分を出せなかった企業には悪いイメージを持ってしまうことがあると思います。このように、アイスブレイクは企業のイメージにつながります。

以下は、Synergy Careerが「夏インターンに参加後、印象が上がった企業の要素」を尋ねた結果です。

引用元:Synergy Career「夏インターンに参加後、印象が上がった企業の要素」

上記からわかる通り、印象が良かった会社の特徴として「人事や社員が明るい」(66.4%)、「雰囲気が和やか」(57.3%)、「対応が丁寧だった」(49.1%)が上位にあがりました。

このように、人事担当者の印象は、企業イメージに直結します。

アイスブレイクの質問は合否に繋がらないことを伝える

候補者には、アイスブレイクの質問は合否につながらないことを最初に伝えましょう。

面接で行われるアイスブレイクの質問は、参加者がリラックスし、雰囲気を和やかにするためのものであり、合否に影響することはありません。以下のように伝えると、参加者が安心してアイスブレイクに参加できるようになります。

「これからアイスブレイクを行いますが、これは皆さんがリラックスしていただくための時間です。
アイスブレイクの質問は、緊張をほぐし、お互いのことを少しでも知るきっかけを作るためのもので
す。したがって、ここでの回答が選考や合否に影響することは一切ありませんので、どうぞ気軽に楽
しんで参加してください。」

また、「あなたが仕事で最も得意なことは何ですか」のような仕事に関する質問で合ったり、「あなたの人生の目標は何ですか」のような、個人的な価値観やビジョンに関する質問は、候補者が、合否につながると考えてしまいます。こういった質問をアイスブレイクの際に行うことは控えましょう。

良い例としては、「最近読んだ本で面白かったものは何ですか?」や「休みの日にどんなことをして過ごしますか?」といった質問は、気軽に話せる内容であり、合否に関係ないことが明確です。

クローズド・オープンクエスチョンを活用する

アイスブレイクにおいて、クローズド・クエスチョンとオープン・クエスチョンの両方を効果的に活用することで、参加者の緊張を和らげ、コミュニケーションを促進することができます。それぞれの質問タイプの特徴と活用方法を以下に示します。

クローズド・クエスチョン

クローズド・クエスチョンとは、イエスかノーで答えられる質問であり、限られた選択肢から選ぶ質問です。これにより、候補者は比較的答えやすく、具体的で短い回答が期待できます。

オープン・クエスチョン

オープン・クエスチョンは、候補者が自由に考えて答えることができる質問です。詳細な回答や個人的な意見が期待され、深い会話のきっかけにもなります。

2つの方法を活用した具体例

以下は、クローズド・オープンクエスチョンを活用した具体的な例です。

面接官: 「休日は家で過ごすのが好きですか?それとも外出するのが好きですか?」
(クローズド・クエスチョン)
候補者: 「家で過ごすのが好きです。」
面接官: 「最近の休日で一番楽しかったことは何ですか?」
(オープン・クエスチョン)
候補者: 「○○という映画をNetflixで鑑賞しました。」
面接官: 「映画鑑賞が好きなんですね!私もNetflixで海外の映画が好きなんですよ。」
候補者: 「そうなんですか!どんな映画が好きですか?」
面接官: 「最近○○という映画を観たんですが、すごく面白かったです。参加者さんはどんなジャンル
が好きですか?」
候補者: 「私はミステリーが好きです。最近は○○という作品を楽しみました。」
面接官: 「ミステリーいいですね!その映画、私もチェックしてみます。」

このように、そのため、「1問目はクローズド、2問目からはオープン」とセットで質問を考えるのがポイントです。

また、オープンクエスチョンを行うことで、共通の話題を探すこともでき、参加者の答えに共感や関心を示し、共通の話題を見つけることで会話を自然に広げることができます。

面接官も自己開示を心がける

候補者の緊張を和らげるために、面接官側から積極的に自己開示をしましょう。

アイスブレイクでは、雰囲気を和ませることに集中してしまい、質問ばかりになっていまいがちですが、質問ばかりだと、候補者が圧迫感を感じてしまい、逆に緊張してしまう可能性が高まります

  • 「私もこの会社に入ったばかりのころは緊張していましたが、皆さんと同じように少しずつ慣れていきました。」
  • 「最近ハマっている趣味は料理です。特に○○料理を作るのが楽しいです。○○さんは料理をしますか?」

上記のような自己開示を行うことで、面接の場がよりリラックスし、参加者が自身を自然に表現しやすくなります。これにより、参加者の本当の姿を引き出すことができ、より良いコミュニケーションが生まれるでしょう。

アイスブレイクの良い例

上記で解説した通り、アイスブレイクの話題は、話が広がりやすく、合否に関係のないとわかる質問が望ましいです。以下では、アイスブレイクで使える具体例を紹介します。アイスブレイクの話題にに困っている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

  • 世間話
  • 趣味
  • 出身地についての質問
  • 当日の予定と休日の予定を聞く
  • web面接やオンライン面接について聞く
  • GOOD&new

世間話

世間話は、軽くて当たり障りのない話題であるため、候補者もリラックスした雰囲気づくりに適しています。天気や最近のニュース、共通の関心事について話すと、スムーズに会話が始められます。

しかし、ネガティブなニュースについて話すことは辞めましょう。ネガティブな話題は、場の雰囲気を暗くしたり、候補者の気持ちを不安にさせたりする可能性があります。

具体例

  • 「今日はいい天気ですね!最近はずっと雨続きだったので、嬉しいです。」
  • 「最近話題になっている○○のニュースについてどう思いますか?」
  • 「今朝の通勤(通学)路はスムーズでしたか?」

出身地についての質問

出身地の話題は候補者の出身地を聞くだけで無く、面接官の出身地の話もできるため、お互いが自己開示をすることができる話題です

しかし、出生地・本籍・家族に関する話題は、厚生労働省にて禁止されているため注意が必要です。

具体例

  • 「どちらのご出身ですか?その地域で有名なものは何ですか?」
  • 「ご出身地でおすすめの観光スポットはありますか?」
  • 「地元の特産品や名物料理は何ですか?」

当日の予定と休日の予定を聞く

「今日はお仕事(学校)はお休みですか?」など当日の予定を聞いた後に、「普段お休みの日は何されているんですか?」と聞けば、履歴書などの事前情報がなくても趣味の話題につなげることができます。

趣味について話すことで、参加者同士が共通の興味を見つけやすくなります。共通の趣味があれば会話が盛り上がります。

具体例

  • 「今日はこの後、何か特別な予定はありますか?」
  • 「次の休日はどのように過ごされる予定ですか?」
  • 「普段の休日にはどんなことをしてリラックスしていますか?」

web面接やオンライン面接について聞く

現在の社会状況に関連したトピックとして、Web面接やオンライン面接についての話題は、共通の体験を基にした会話を促すことができます。候補者が最近経験したことを共有しやすいテーマです。

具体例

  • 「オンライン面接は初めてでしたか?どのように感じましたか?」
  • 「Web面接で特に気をつけたことはありますか?」
  • 「オンラインでのコミュニケーションに慣れるためのコツは何ですか?」

GOOD&new

「GOOD&NEW」というアイスブレイクは、候補者が「最近よかったこと(GOOD)・新しい発見(NEW)」を発表するといった方法です。ポジティブな体験を語ることで、場の雰囲気を明るくし、候補者が気軽に話せる空気を作ります

また、候補者へ質問する前に面接官自身の「GOOD&NEW」を話すことで、答え方のお手本を示せるだけでなく、親近感や信頼感を与えることができます。

具体例

  • 「最近経験したことで良かったことを教えてください。」
  • 「ここ数日で新しく始めたことや学んだことはありますか?」
  • 「今日の朝、何か嬉しいことはありましたか?」

アイスブレイクのNG例

上記に示したアイスブレイクのNG例を具体例と共に、以下で解説します。

  • ネガティブワードを含んだ質問
  • 合否に直結しそうな質問
  • 個人の思想に関する質問

ネガティブな内容の質問

ネガティブな内容の質問は、候補者を緊張させたり、不快にさせたりする可能性があります

アイスブレイクは、場を和ませ、参加者がリラックスできるようにすることが目的なので、ポジティブな話題や楽しい経験を共有することで、自然な会話のスタートを切ることができます。ネガティブな話題は、初対面の人々やリラックスさせたい場においては避けるべきです。

また、「緊張していますか?」などのネガティブワードを含んだ質問もやめましょう。候補者は、この質問には「はい」としか答えることができません。リラックスしてほしいと気遣いで言ったつもりでも、候補者へ威圧感や不快感を与えてしまう可能性があります。

具体例

  • 「これまでで一番辛かった仕事の経験は何ですか?」
  • 「この業界で最もフラストレーションを感じることは何ですか?」

合否に影響しそうな質問

上記でも示した通り、合否に影響しそうな質問は、アイスブレイクとしては不適切です。

これらの質問は、候補者が自分を売り込む場面を意識させてしまい、リラックスするどころか緊張させてしまう可能性があります。アイスブレイクでは、業務に直接関係ない軽い話題や日常生活に関する質問を用意することで、参加者の緊張をほぐすのが効果的です。

具体例

  • 「前職で達成した具体的な成果を教えてください。」
  • 「5年後のキャリア目標は何ですか?」

個人の思想に関する質問

個人の思想や信念に関する質問は、非常にデリケートな話題であり、アイスブレイクとしては避けるべき話題です。

これらの質問は、参加者に対して不快感や対立感を生む可能性があり、雰囲気を悪化させる恐れがあります

また、出生地・本籍・家族に関する話題は、厚生労働省にて禁止されているため注意が必要です。こうした話題は、個人のプライバシーに関わるため、特に面接やビジネスの場で避けるべきです。

具体例

  • 「最近の政治的なトピックについてどう思いますか?」
  • 「あなたの宗教的な信念について教えてください。」
  • 「あなたの家族構成について教えてください。」

NGをしない対策方法

上記で解説したアイスブレイクのNG例を回避するための企業でできる対策を紹介します。

  • コンプライアンス研修と注意点の共有
  • 事前に質問を決めておく

コンプライアンス研修と注意点の共有

面接担当者には、定期的にコンプライアンス研修を実施し、プライバシー保護や個人情報の取り扱いに関する法令や規定について教育を行いましょう。特にアイスブレイクや面接の場における適切な質問内容や禁止されている質問について、具体例を交えて説明しましょう。

また、具体的なケーススタディやロールプレイを通じて、実際の場面での対応方法を練習することも有効です。

その結果、面接時のNG質問について知らなかった社員がいた場合でも、面接官向けの研修を実施することで、適切な面接方法やNG質問について全員が理解し、把握することができます。

事前に質問を決めておく

アイスブレイクや面接で使用する質問を事前に決めておき、リストを作成します。このリストには、適切で中立的な質問のみを含めるようにしましょう。

質問リストを作成し、リスト以外の質問をしないことを徹底することで、アドリブでNG質問をするリスクを回避することができます

また、アイスブレイクの時間をあらかじめ決めておくことも有効な手段です。アイスブレイクの時間が短すぎると候補者の緊張を和らげられませんし、長すぎると肝心の面接時間が少なくなってしまうので注意しましょう。

アイスブレイクの質問例

本記事で紹介した「アイスブレイクで使える質問例」をリスト化したものを掲載します。

アイスブレイクの良い質問例

世間話
「今日はいい天気ですね!最近はずっと雨続きだったので、嬉しいです。」
「最近話題になっている○○のニュースについてどう思いますか?」
「今朝の通勤(通学)路はスムーズでしたか?」

出身地についての質問
「どちらのご出身ですか?その地域で有名なものは何ですか?」
「ご出身地でおすすめの観光スポットはありますか?」
「地元の特産品や名物料理は何ですか?」

当日の予定と休日の予定を聞く
「今日はこの後、何か特別な予定はありますか?」
「次の休日はどのように過ごされる予定ですか?」
「普段の休日にはどんなことをしてリラックスしていますか?」

Web面接やオンライン面接について聞く
「オンライン面接は初めてでしたか?どのように感じましたか?」
「Web面接で特に気をつけたことはありますか?」
「オンラインでのコミュニケーションに慣れるためのコツは何ですか?」

GOOD&NEW
「最近経験したことで良かったことを教えてください。」
「ここ数日で新しく始めたことや学んだことはありますか?」
「今日の朝、何か嬉しいことはありましたか?」

アイスブレイクのNG質問例

ネガティブな内容の質問
「これまでで一番辛かった仕事の経験は何ですか?」
「この業界で最もフラストレーションを感じることは何ですか?」

合否に影響しそうな質問
「前職で達成した具体的な成果を教えてください。」
「5年後のキャリア目標は何ですか?」

個人の思想に関する質問
「最近の政治的なトピックについてどう思いますか?」
「あなたの宗教的な信念について教えてください。」
「あなたの家族構成について教えてください。」

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引用:株式会社Crowd Moove

面接を1つするにしても、アイスブレイクの準備であったり、たくさんのステップを踏む必要があります。また、採用プロセス全体で考えると、求人媒体の選定から応募者管理など日々の業務に追われている企業は、採用業務を行うことで業務負担がさらに増えます。

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まとめ

今回は、面接におけるアイスブレイクの活用法と、注意点について解説しました。

アイスブレイクは、面接での候補者の緊張をほぐし、コミュニケーションの活性化を図るための重要なプロセスです。アイスブレイクは、活用することでより有効な面談が可能になります。

しかし、本記事で挙げたようなNG例を、うっかり使ってしまうと、逆効果です。こういった事態が起きないように、社員への研修、質問をあらかじめ決めておくなどの対策を取りましょう。

     

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