ソーシャルスタイル診断とは|メリット・デメリット・活用する方法まで紹介

   
 
  • 更新日:2024.07.27
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    CrowdMoove編集部
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    CrowdMoove編集部
  • 更新日:2024.07.27
  • ソーシャルスタイル診断とは|メリット・デメリット・活用する方法まで紹介

    ほとんどの人事担当者は、候補者の性格を知ったうえで候補者を採用したいと考えますが、面接などの短い時間で、候補者の性格を分析し理解することは難しいです。

    そうした問題解決の一助になるものが、ソーシャルスタイル診断です。ソーシャルスタイル診断を活用することで、「この人はこういう性格で、仕事とこういう向き合い方をするんだ」とざっくりと理解することができます。

    本記事では、「ソーシャルスタイル理論」をどのように仕事に活用できるのかを解説します。

    ソーシャルスタイル理論とは

    冒頭で述べたように、ソーシャルスタイル理論とは仕事上で活かすことができる性格診断です。ソーシャルスタイル理論は、1968年にアメリカの産業心理学者のデビッド・メリル氏が提唱したコミュニケーションの理論です。

    ソーシャルスタイル診断では、「この人は分析してから動くタイプだ」「この人は感情を優先して仕事をするタイプだ」のような仕事でどのような働き方をするかを診断することができます

    ソーシャルスタイル理論は、大きく4つに分けることができます。

    • ドライビング…実行型
      ドライビングタイプの人は目標志向が強く、迅速に行動し、結果を出すことを重視する合理的なタイプです。決断力があり、自分の意見をはっきりと述べ、リーダーシップを発揮することが得意です。効率性を追求し、明確な成果を求めるため、具体的な目標設定や迅速な意思決定を行います。
    • アナリティクス…分析型
      アナリティクスタイプの人はデータや事実に基づいて慎重に意思決定をします。論理的で組織的なアプローチを好み、詳細な分析や計画を重視します。彼らは高い正確性と精密さを求め、リスクを最小限に抑えるための慎重な行動を取ります。
    • エクスプレッシブ…直観型
      エクスプレッシブタイプの人は創造的で感情豊かな性格です。新しいアイデアやアプローチを考えることを楽しみ、情熱を持って自分の感情を表現します。社交的で人との交流を好み、ビジョンや夢を描くことに長けています。
    • エミアブル…温和型
      エミアブルタイプの人は協力的で他者との信頼関係を重視します。チームワークや他者の支援を大切にし、安定した環境を好みます。親しみやすく温和な性格で、他人を助けることを喜びます。

    まずは診断してみよう

    以下に質問を記載しました。自分がどのタイプなのかを診断してみましょう。そうすることで、ソーシャルスタイル診断の精度を知れると思います。

    話すペースがA:早いB:遅い
    話すとき間をA:とらないB:とる
    話すときの語尾をA:きっぱりB:ソフト
    話すとき声がA:大きいB:小さい
    話すときA:自分から話すB:後から発言する
    話すときA:結論から話すB:順を追って話す
    話すときA:まず自分の意見を言うB:まずまわりの意見を聞く
    話すときA:視線をしっかり合わせるB:視線をソフトに合わせる
    話すときA:質問は即決B:質問へは熟考
    (Aの個数:   個)(Bの個数:   個)

    表情がC:豊かD:ポーカーフェイス
    声にC:抑揚があるD:抑揚がない
    身振り手振りをC:交えて話すD:あまり使わない
    雰囲気はC:カジュアルであるD:ビジネスライクである
    使う言葉はC:平易であるD:硬いものがある
    得意なのはC:たとえ話やエピソードD:情報・データ・数字
    はじめはC:まず人間関係を築くD:すぐに仕事に取り掛かる
    気持ちがC:顔に出るD:顔には出ない
    仕事の仕方はC:周りと一緒に進めていくD:1人で黙々と進める
    (Cの個数:   個)(Dの個数:   個)

    上記の質問全てに応えられたら、A、B、C、Dがそれぞれいくつあったか、数えて計算式に当ては
    めてください。Aの個数ーBの個数=(   )①Cの個数ーDの個数=(   )②
    ①、②を計算したらマップに点描しましょう。

    出典:株式会社WOWOWコミュニケーションズ

    ソーシャルスタイル理論とは?相手の心をつかむコミュニケーション

    ソーシャルスタイル診断を実施するメリット

    仕事上に、ソーシャルスタイル診断を取り入れるメリットについて以下に解説します。

    • 新しく組成したチームメンバー全員の相互理解が可能になる
    • 経営層や人事担当が会社の組織再編を検討するのに参考になる
    • 社内の人材を多様化できる

    新しく組成したチームメンバー全員の相互理解が可能になる

    新しく組成したチームの場合、相手のことをよく知らないために、スムーズなコミュニケ―ションが取れずに、誤解や摩擦が多くなってしまう可能性が高まります。その結果、仕事へのストレスが蓄積されるようになってしまいます。

    そこで、ソーシャルスタイル診断を行うことで、チームメンバー各自のコミュニケーションスタイルや行動パターンを理解することができます。

    相互理解ができることで、誤解や摩擦が減り、スムーズなコミュニケーションが促進されます。また、メンバーがお互いのスタイルを尊重し合うことで、信頼関係が深まり、チームとしての一体感が強まります

    例えば、スタイルの違いを認識することで、フィードバックをより建設的に受け入れることができます。今まで、どうしてそんなに無愛想で教えてくるんだろうと考えていても、ドライビングであると考えることができれば、それは相手の性質であり、変わらないものだと割り切ることができます。

    経営層や人事担当が会社の組織再編を検討するのに参考になる

    社員のソーシャルスタイルを理解することで、適材適所の配置が可能になります。

    例えば、リーダーシップを発揮しやすいドライビングタイプにはプロジェクトリーダーに任せ、細部に注意を払うアナリティカルタイプにはデータ分析や計画作成を担当させるなど、適材適所の配置ができます。

    また、社員が自分の強みを最大限に活かせるポジションに就くことで業務効率の向上が期待できます。適切な配置をすることで、モチベーションの維持にもつながり、ストレスや不満を感じにくくなります

    以下に、タイプごとに適した役割と相性の良いメンバーを示します。

    タイプ適した役割相性の良いメンバー
    ドライビング・プロジェクトリーダー
    ・営業マネージャー
    ・部門リーダー
    エクスプレッシブタイプ: クリ
    エイティブなアイデアを出し、
    プロジェクトに新しい視点を提
    供します。
    アナリティカルタイプ: データ
    分析や計画作成を担当し、プロ
    ジェクトの基盤を強固にしま
    す。
    エクスプレッシブ・マーケティング担当
    ・クリエイティブディレクター
    ・イベントプランナー
    ドライビングタイプ: アイデア
    を実行に移し、目標達成に向け
    た具体的な計画を立てます。
    アミアブルタイプ: チーム内の
    調和を保ち、円滑なコミュニケ
    ーションを促進します。
    エミアブル・カスタマーサポート
    ・人事
    ・チームビルディング
    エクスプレッシブタイプ: エミ
    アブルタイプが顧客との良好な
    関係を築く中で、クリエイティ
    ブな解決策が問題解決に役立ち
    ます。
    アナリティカルタイプ: 問題解
    決のためのデータや分析を提供
    し、サポートします。
    アナリティカル・データアナリスト
    ・計画作成者
    ・財務担当
    ドライビングタイプ: データに
    基づいた情報を元に、迅速な意
    思決定を行い、プロジェクトを
    前進させます。
    アミアブルタイプ: チームの調
    和を保ち、分析結果をチーム全
    体にわかりやすく伝えます。

    社内の人材を多様化できる

    ソーシャルスタイル診断を活用することで、社内の人材の多様化を促進することができます。異なる背景や価値観を持つ社員が互いの違いを理解し、尊重し合うことで、多様性が豊かで包括的な職場環境を築くことができます

    例えば、社員が異なる視点やアイデアを持ち寄ることで、イノベーションが促進されます。また、多様なソーシャルスタイルを持つ社員が協力し合うことで、問題解決能力が向上します。

    このように、社員を多様化することで、それぞれの強みを活かして、協力することができ、会社の成長に繋げることができます。

    ソーシャルスタイル診断のデメリット

    ソーシャルスタイル診断を受けるだけならメリットしかないように感じますが、デメリットも存在します。以下では、そのデメリットについて解説します。

    • 偏った固定概念を持ってしまう可能性も
    • 人間は4つのタイプに分類することができない

    偏った固定概念を持ってしまう可能性も

    ソーシャルスタイル診断の結果に基づいて、特定のスタイルに属する人に対して固定概念を持ってしまうリスクが考えられます

    例えば、ドライビングタイプの人だからと言って、常に決断力があり、指導力が強いと決めつけてしまうと、その人が持つ他の側面に気付くことが出来ずに、無視してしまう可能性があります。

    また、タイプの決めつけは、成長の妨げにもつながります。特定のスタイルに分類されることにより、自分をそのスタイルに限定してしまい、この分野が苦手であると、やる前からあきらめるようになってしまう可能性があります。

    ソーシャルスタイル診断はあくまで1つの参考ですので、それだけで人を評価しないように心がけましょう。

    人間は4つのタイプに分類することができない

    ソーシャルスタイル診断を使う上で、注意しておきたいこととして、「人間は4つのタイプに分類することはできない」ということです。

    ソーシャルスタイル診断では、多くても4つのタイプにしか分類することしかできません。アナリティクスにかなり近いドライビングタイプや、エクスプレッシブにかなり近いエミアブルタイプもたくさん存在します。

    このように、人間の行動や性格は複雑で、多様な要素が影響するため、人々は、スタイルの混合体です。よって、多くの人々を4つのタイプに分類することは難しいです。そのため、ソーシャルスタイル診断はあくまで目安と考えることが重要です。

    ソーシャルスタイル診断を活用するコツ

    ソーシャルスタイル診断の特徴を理解したところで、どのような場面でソーシャルスタイル診断を活用できるかを解説します。ソーシャルスタイル診断を活用することでより良い仕事ができるようになります。

    社員は多様性がある方が良い

    業務を行う上で、社員に多様性があった方が良いです

    アイデアを出すことが得意なエクスプレッシブタイプ、分析が得意なアナリティクスタイプ、実行力を発揮するドライビングタイプ、協調性を大事にするエミアブルタイプ、これらの全てのタイプがいることで業務が円滑に進みます。

    ソーシャルスタイルはあくまでも参考の1つとして考える

    ソーシャルスタイルはあくまでも参考の1つとして考えましょう。

    個々の性格や行動スタイルを理解するための有効なツールですが、それを信じすぎないことが重要です。人間の多面性や変化する特性を考慮し、多様な評価方法を併用することで、より公平で柔軟な対応が可能となります。こうしたアプローチにより、社員一人ひとりの成長を促進し、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。

    ソーシャルスタイル診断を活用した具体的事例

    ソーシャルスタイル診断を活用した事例を紹介します。

    ソーシャルスタイルでは主に、採用段階、内定後の研修などで活用されます。それぞれの活用法について解説していきます。

    採用段階

    採用工程でソーシャルスタイル診断を活用することにより、応募者の性格や行動スタイルを把握し、適材適所の配置を行うことができます。具体的な活用方法は以下の通りです。

    • 面接プロセス
      面接の際にソーシャルスタイル診断を取り入れ、応募者がどのスタイルに属するかを確認します。これにより、応募者の強みや弱み、チームへの適応度を評価する材料として活用できます。
    • ポジションの適性
      各ソーシャルスタイルに適した職務や役割を予め設定し、診断結果に基づいて応募者を適したポジションに配置します。
      例えば、ドライビングタイプの応募者はリーダーシップが求められる役割、アナリティクスタイプの応募者は分析や計画が重視される役割に向いていることが多いです。
    • チームビルディング
      採用後のチーム構成を考える際に、既存のチームメンバーとの相性を考慮し、バランスの取れたチームを作ることができます。異なるソーシャルスタイルを持つメンバーを組み合わせることで、多様性のある強力なチームを構築します。

    内定後の研修

     内定後の研修でソーシャルスタイル診断を活用することにより、新入社員が自分自身や同僚のスタイルを理解し、効果的なコミュニケーションと協力を促進することができます。

    • 自己理解
      新入社員が自分のソーシャルスタイルを理解することで、自身の強みと弱みを認識し、自己改善のための具体的な目標を設定することができます。
    • 他者理解
      同僚のソーシャルスタイルを知ることで、効果的なコミュニケーション方法やチームワークの取り方を学びます。例えば、ドライビングタイプの同僚には迅速で明確な指示を、エミアブルタイプの同僚には温かく協力的な態度を取ることが効果的です。
    • コラボレーションの強化
      ソーシャルスタイルに基づく研修を通じて、新入社員が異なるスタイルを持つ同僚と円滑に協力できるようになります。これにより、チーム全体のパフォーマンスが向上し、職場の雰囲気も改善されます。

    弊社CrowdMooveでの具体例

    弊社CrowdMooveでも、ソーシャルスタイル診断を活用してみました。

    インターン生と社員の中で調査した結果が以下です。

    ドライバー3人30%
    エクスプレッシブ3人30%
    エミアブル2人20%
    アナリティクス2人20%
    10人100%

    隔週で行うインターン生を含めたMTGでは、それぞれが様々な分野のトピックを持ちよってくることによって、お互い良い刺激をもらっています。また、チーム編成をする際にも、ソーシャルスタイルごとに分けていて、多様な視点からの意見が飛び交い、新しい発見や学びを得ることができています。

    例えば、弊社では、ドライバータイプのインターン生が、自分の働き方や考え方を共有する場を設けています。ドライバータイプの合理的な考えや成長につながる働き方を共有することで、他タイプのインターン生は新しい学びを得ることができています。

    採用業務のアウトソーシングならCrowdMooveアシスタント

    引用:株式会社Crowd Moove

    人手不足で、採用業務にかける時間がない」、「採用のノウハウがなくて進まない」といった悩みを抱えた企業様はCrowdMooveアシスタントがおすすめです。

    Crowd Mooveでは、「Crowd Mooveアシスタント」というアウトソーシングサービスを提供しており、バックオフィスを初めとした様々な業務をアウトソーシングできます。

    もちろん、採用業務もアウトソーシング可能です。採用業務では、求人媒体の選考から、書類選考、面接までの全てをアウトソーシングできます。もちろん、メール返信業務のみのアウトソーシングも可能ですので、必要な業務を必要な分だけアウトソーシングできるため、コストの軽減も可能になります。

    また、どんな業務でも一律1時間2,200円でアウトソーシングすることができ、専属PMが一気通貫して担当します。

    もし採用業務でお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。

    料金一律1時間2,200円
    対応可能業務・バックオフィス
    ・人事
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    ・マーケティング
    ・営業

    まとめ

    ソーシャルスタイル診断は、相手の性格を知るために有効なツールです。また、それは、自分の性格を見つめ直す機会となります。自分の性格を理解することで、「自分はなにが苦手なのか」「他の人からどんな印象を受けるのか」を理解することができます。

    ソーシャルスタイル診断は自分を振り返ったり、採用、研修、業務上のコミュニケーションなど様々な場面で活用することができます。

    しかし、人間を4つに分類することは不可能です。ソーシャルスタイル診断はあくまで1つの参考として、活用しましょう。

         

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