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投稿日:2024.10.17(木)
更新日:2024.10.28(月)
目次
働く世代が減少している昨今の日本では、採用が難しく「売り手市場」となっています。また、採用したが、社員のモチベーションの維持が難しく、すぐに辞めてしまうといったことが問題視されています。
そこで、それらの問題を解決できる採用手法がリファラル採用です。リファラル採用は、既存の社員が、自分の知人や、元同僚などの自社に適していると思う人材を、企業に推薦する採用手法です。リファラルとは「推薦」という意味があり、効率的に適した人材を雇うことが可能になります。
本記事では、リファラル採用の報酬の決め方や課題について詳しく解説します。
リファラル採用のメリットとして主に以下の3つのことが挙げられます。
リファラル採用を活用することで、採用業務に関するコストを削減することができます。
例えば、求人広告費、面接や選考にかかる人件費、リクルーターの費用などを抑えることができます。それぞれの詳細について下記で詳しく解説します。
求人広告費 相場:年間数百万~数千万リファラル採用では、社員が代わりに、人材を紹介をしてく
れるため、求人広告費の必要がなくなります。
よって、求人広告費を削減することができます。リファラル採用では、広告を掲載する
よりも、社員への周知の方が重要です。面接や選考にかかる人件費 相場:1人あたり数万円~数十万円
リファラル採用では、推薦者が既に候補者のスキルや適性をある程度把握しているた
め、選考プロセスを簡略化することができます。これにより、面接や選考にかかる時間
やリソースを節約できます。リクルーターの手数料 相場:年収の20~30%仮に外部のリクルーターや採用エージェンシーを利用する場合、成
功報酬として高額な手数料が発生します。リファラル採用では、社員の紹介のため、リ
クルーターのような高額な手数料が発生しません。しかし、リファラル採用でも、社員
に適切な報酬を用意する必要があります。教育・トレーニングの費用 リファラル採用では、推薦者が候補者のスキルをある程度把握しているため、即戦力と
なる可能性が高いです。新入社員のように1から教える手間などが省けるでしょう。こ
れにより、必要なトレーニングや教育の時間とコストが削減されます。
リクルートワークス研究所が発表している「米国の従業員リファラル採用のしくみ」によると、求人求職サイト経由での採用者が入社1年未満に離職する割合が22.1%であるのに対し、リファラル採用による採用者の場合は6.8%とされており、リファラル採用で採用した人材は離職率が低い傾向があります。社員の知人であったり、元同僚であるなど既存の関係性があるため、会社にスムーズに馴染むことができ、適応しやすいと考えられます。
また、既存社員が、企業の価値観や雰囲気に適した人材だと判断しているため、企業のビジョンにマッチした人材である可能性が高いです。企業と社員の価値観がマッチしていると、モチベーションの向上につながりやすく、離職率の低下につながります。
リファラル採用は迅速な採用ができることがメリットです。
一般的な採用手法であれば、求人媒体の選定から、書類選考で候補者を厳選し、複数回の面接と会議を重ねて、正式に採用となります。
しかし、リファラル採用では、求人広告を載せる必要がありません。また、既存社員の知人であるため、候補者の具体的な性格やスキルについても、あらかじめ知ることができます。よって、書類選考や面接で相手を1から知るといった工数が減ります。
他にも、書類選考や面接では見抜けない、知人からの評価を知ることができるため、より解像度の高い採用が可能になります。
以下でリファラル採用の導入手順について説明します。
まず、どのような制度を作って運用していくかを設計する必要があります。以下で、決定すべき事項を挙げます。
リファラル採用は社員の協力があってこその手法です。人物像のイメージを明確に伝え、紹介した際の報酬を設定するなどして、社員が協力的になるような環境作りをしましょう。報酬に関しては、金額のみならず、旅行券などを設定している企業もあります。
リファラル採用の詳細を設計したら、それを社内に共有しましょう。社内に広める方法として、以下が挙げられます。
リファラル採用で採用された社員を共有することは効果的です。リファラル採用で採用した人材を社員に共有することで、社員に明確な自社が求める人物像をイメージすることができます。また、成功例もイメージしやすくなるため、モチベーションの向上につながります。
社員に採用したい人物であったり、社長の想いなどを共有しましょう。ここで求める人物像が明確でない場合、社員にイメージが適切に伝わらず、失敗することが考えられます。
また、報酬の共有や、プロジェクトの管理メンバーなども決めましょう。「口説きマニュアル」をあらかじめ作成して、共有するなどの工夫も重要です。
プロジェクトの進捗を2週間に1度くらいのペースで、確認しましょう。
どのくらいの候補者が集まったのか、どのくらい友人や知人に声かけができたかを共有しましょう。
進みが悪い場合は、口説きマニュアルを変更したりとプロジェクトの改善を行いましょう。
リファラル採用を行う導入する上で、「報酬制度を設けるべきか」といった議題が浮上しますが、結論から言うと、報酬制度はあるべきです。
報酬があることで、社員のリファラル採用のモチベーションの向上につながり、より多くの有能な候補者が集まる可能性が高まります。しかし、報酬が安すぎると、モチベーションにつながらなく、高すぎるとコストがかかりすぎてしまう可能性が考えられます。適切な設定が重要です。
上記のように、リファラル採用の報酬を決める際には、注意しなければならないポイントがいくつかあります。以下では、そのポイントについて解説します。
人材紹介で報酬を得るためには、厚生労働大臣の許可が必要です。よって、免許を取得しなければ、有料職業紹介を行うことはできません。
リファラル採用において報酬制度を儲けたい場合は、人材紹介業務を社員の業務の一部として位置づけましょう。人材紹介業務だけに対して報酬を与えているのではないことを、就業規則⋆や賃金規程に記載することで違法の対象ではなくなります。
<有料職業紹介事業の許可>
第三十条 有料の職業紹介事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。
<報酬の供与の禁止>
第四十条 労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者
に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第三十六条第二項の認可に係る報酬
を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。
引用:職業安定法
<労働条件の明示>
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明
示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で
定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
引用:労働基準法
自社がどんなことで人材を採用したいのかを明確にすることで、報酬を支給するタイミングや方法が異なります。
「採用が決まったら紹介者に報酬を支給する」といった一般的な手法でなく、「応募した時点で報酬を支給する」といった形を取ることで、応募数が増えるでしょう。
しかし、報酬を獲得することが目的となると、求めている人材が集まらずに、コストだけがかかってしまう可能性が考えられます。一定の条件を設定したうえで、その条件を満たすことを義務にするなどの対策が必要です。
離職率が高い原因は、入社したら思っていた会社と違ったなどのマッチングが適切でない場合がほとんどです。
離職率を低くしたい場合、「入社してから半年後に報酬を支払う」などの設定をすることで、早期離職のリスクを減らすことができます。その半年間で、離職されないような職場の雰囲気作りなどを行いましょう。
報酬を設定する際に、求めるスキルの達成を義務化することが1つの手法です。
例えば、「プログラミングの経験有」や、「TOEIC800点以上」などの細かな条件を設けて、その条件を満たす候補者を紹介することで、報酬を支払うといった形をとる手法です。
このように、条件達成を義務化することで、スキルの高い応募者を集めることができます。しかし、より高いスキルの条件を設けてしまうと、応募者自体が集められないなどの課題が考えられます。
リファラル採用を成功させるポイントとしては、「社員を巻き込む」といったことだけです。では、どうやって社員を巻き込むのか以下で解説します。
社内にリファラル採用があることを告知しましょう。リファラル採用は社員の協力があって成り立つ採用手法です。
社内告知をする際には、なぜリファラル採用を行うのかといった背景や目的、社長の熱意などを伝えることが重要です。これらを行うことで、社員が当事者意識を持つようになり、協力的に取り組んでもらえるようになります。
リファラル採用を告知する際に、明確に報酬とその条件を明確に伝えましょう。
条件や報酬が不明瞭であると、社員が不公平さを感じたり、不信感を覚えて、非協力的になってしまいます。リファラル採用を行う場合は、採用に対する全てを明確に社員に伝えることが重要です。
社員が協力的になるには、声かけを行うことも1つの手です。
例えば、
などの声かけを行うことで、具体的な行動を促すことができます。
また、採用キャンペーンを実施するなど、リファラル採用をしやすい環境をつくることで、リファラル採用した人材がリファラル採用をしてくれるなど、良い循環ができる場合もあります。
社員のなかには、「紹介したいが、不採用になったときに気まずくなりたくない」などの考えがあり、あまり積極的になれない社員がいるでしょう。
万が一、不採用になった場合に、紹介者と被紹介者が気まずくならないような体制・フォロー作りが重要です。
たとえば、一般選考を同じ基準であることを伝えたり、選考のまえに、ミートアップや説明会を開き、「候補者自身の判断で応募する」といった形を取ることが重要です。
以下は、Wantedlyが掲載している記事で紹介されていたリファラル採用の例です。具体策の参考にしてください。
引用:リファラル採用の報酬相場|決め方や違法となるケースを解説
A社では、リファラル採用のチーム対抗戦を行い、ゲーム感覚で採用を行える施策を取りました。具体的には、ミートアップに参加させたら1ポイント、選考に進んだら5ポイントといったような施策です。優勝チームにはノベルティを贈呈していました。
その結果、社員の86%が協力し、600人の母集団を形成できました。
B社では、リファラル採用の報酬を旅行券に変更するといった施策を行いました。また、コアバリューに共感してくれる人材を紹介・採用することで、連鎖的に紹介者数が増えていきました。
その結果、大半が一般選考からの入社だったB社でしたが、今では内定者の半数がリファラル経由での入社となっています。
C社では、紹介する際の会食の費用を企業が負担するといった手法をとりました。また、不採用になってしまった場合には、「ごめんねごはん制度」を設け、不採用の後に会食に行ける制度を整えました。それにより、たくさんの社員が協力をしてくれるようになり、内定者の3割がリファラル採用での入社となりました。
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リファラル採用には、採用コストを抑えられるだけでなく、自社に適した人材を集められるなどといったメリットが多くある採用手法です。
しかし、社員の協力があってこその採用手法であり、報酬を適切に決定しなければ、よりコストがかかってしまいます。
本記事では、リファラル採用を成功させるポイントから、注意点を解説しました。自社に合ったリファラル採用の制度を作り、より良い職場を構築してください。
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